だいたい正しそうな司法試験の勉強法

30代社会人、妻子あり。「純粋未修」で法科大学院に入学し、平成30年司法試験に一発合格。勉強法・書評のブログです。

質問のススメー質問量とその方法

 こんにちは、たすまるです。最近、更新頻度が低下しておりスミマセン。その分、コメント等でのご質問に対する回答が増えている気がするのですが、これは大歓迎ですのでどしどし質問してください。ただ、もう少し上手に質問すれば良いのに…と感じることが多々ありました。なお、特定個人を指している訳ではありませんので、「ディスられた~」と悲観しないで下さい。そこで、自分の経験を振り返りつつ、上手な質問の方法ー換言すると、質問力を向上させる方法を検討したいと思います。分かり易い(と、筆者は思う)ので、教員ー学生の関係を、医者ー患者の関係に置き換えつつ考えていきます。

※2019年8月18日 早速改訂しました

 なお、質問に対する私の回答スピードですが、現状では1日に3~4くらいのペースとなっております。や~丁寧に回答するためには考える時間が必要なんですよね、多分。ということでご了承戴ければ幸いです。 

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質問は多ければ多いほど良い

 筆者は、正味3年間の学習ー”純粋未修”のためーで一応司法試験に合格できたわけですが、その理由は筆者が「頭が良い」訳ではありません。筆者は「頭が良い」人なんてほとんどいないZE説の信者です。よくそういう人いますけど。筆者の長所は、①文章の表現力が相対的に高かったことに加えて、②教員、先輩等に質問しまくったこと、③質問の方法が相対的に上手だったことがあると思います。

知識の吸収速度を高める

 初学者は、まず②を重視することです。たくさん質問すれば、それだけ知識の吸収速度が高まりますから、これは非常に重要です。質問は多ければ多いほど良い、「うざいからやめて」と言われるくらいがちょうど良いのです。相手は教員、先輩、同期、はたまたネットなど誰でも構いません。

自分の学力を客観視できる

 法律を学習する上で、誰かに「質問する」という作業は、意外と勇気がいるものです。「自分はここがわからない」という事を相手に白状することになりますし、同時に、おのずから自分の学力や思考方法も相手に伝わってしまいます。しかし、下記記事でも触れた通り、自分の学力等を客観視することは、非常に重要です。

 

 質問をしない、ということは医者ー患者モデルで言えば、体のどこかが不調なのに、(自分からは)一切病院に行かない、ということです。全ての病気は自分で治す!という事だとすると、非常に危険です。反対に、相手からの能動的な診断、アドバイスを待っているよ~ということであれば、非常に性善説的です。しかし、世の中みんな自分のことが大事なので、そんなに構ってはくれません。勇気を出して、少しでも多く質問することが大切です。

質問の方法が上手になる

 また、たくさん質問をすれば、それだけ質問の方法それ自体も上達します。また、質問とは自分の考えの表現にもあたるので、司法試験に必須の(文章的)表現力も向上します(後述)。習うより慣れろー「質問力」に限らず、全ての学習に言えることですよね。質問自体が効率的にできるようになるので、学習が進むにつれて質問時間も加速度的に減っていきます。気が付くと、自分が質問される側になっています。半学半教とはよく言ったもので、教えることもまた非常に勉強になります。

質問は可能な限り、具体的に

相手に分かり易い質問を心掛ける

 次に、③質問の方法を検討していきますが、まず言えることは「質問は、可能な限り細かく、具体的な情報を明らかにしてする」ということです。(相手にとって)問題が絞られており、具体的で分かり易い質問であれば、それだけ早く・適切な回答が期待できるよね、ということです。

 病院に行って、

  • 「先生、なんだか体調が悪いです」と言うよりは、
  • 「先生、お腹が痛いです」と言った方がより分かり易いですし、
  • 「先生、数時間前からお腹の右下あたり、表面というより内部が非常に痛いです」と言った方がさらに分かり易いですよね。

 医者としては「ああ、盲腸かな?」と推測することができ、無駄な診断をしなくて済むー素早く適切な対応をとることができます。

質問前に自己診断をする

 法律学習も同じで、

  • 「民法の、表見代理がわかりません」と言うよりは、
  • 「表見代理の(109&110条)重畳適用の使い分けがわかりません」と言った方がより分かり易いですし、
  • 「表見代理の重畳適用の使い分けの基準はわかるのですが、使い分けることによる実益がわかりません」よりも、
  • 「表見代理の重畳適用の使い分けの基準はわかるのですが、実際に重畳適用と単独適用で、結論に相違が出るケースとして具体的にどのようなものがあるのかがわかりません」の方がさらに分かり易いですよね。

 「細かく、具体的に、分かり易く質問する」方法論としては簡単で、自分が本当にわからない核心部分を明らかにするー具体的には、「なぜ?」を自分の中で繰り返してから質問すれば良いだけです。上記の例で言いますと、

  • 「表見代理がわからない」→「なぜ?」=表見代理の「重畳適用の使い分け」
  • 「重畳適用の使い分け」→「なぜ?」=使い分けの基準ではなく、「使い分けの実益」
  • 「使い分けの実益」→「なぜ?」=結論に相違が出るのかどうか

 という感じですかね。医者・患者モデルで言うと、病院に行く前に、きちんと自己診断をする、ということです。前述の通り、数多く質問をして、質問のたびに自己診断をするわけですから、自分が何をわかっていないのかーという自分の学力の客観視がさらに向上することは言うまでもありません。

自分なりの回答案を用意して質問する

回答案の有用性

 自分なりの回答(案)を用意して、これを提示しつつ質問することも非常に有用です。これには、大きく三つの意味があります。

  1. 回答案を(脳内でも)作成するには、文章的表現力が必要なので、質問をするたびに表現力が高まる。
  2. 自分なりの知識・思考方法を示すことになるので、相手がより詳細に学力(病状)を把握することができるため、回答のスピード&適切性がさらにアップする。
  3. 分かり易い質問が相手の「回答するモチベーション」を高めることは当然だが、それに加えて「自分なりに考えてきました」という能動的な姿勢を見せることで、さらに相手の回答意欲が高まる。これにより回答のスピード&適切性はさらにアップする。

 という訳ですね。先ほどの盲腸の例でも、「先生、数時間前からお腹の右下あたり、表面というより内部が非常に痛いです。持病の胃痛かと思って、胃薬を飲んだのですが、良くなるどころかより悪化しています」と言えば、医者により具体的な情報が伝わるのは確実ですし、治したくなる?気持ちもより湧くような気もします。

回答案は三段論法もどきで

 回答案の伝え方は、シンプルに、三段論法っぽく言うと(少なくとも)法律家には伝わりやすいです。

  • (問題提起)先生、表見代理の重畳適用の問題がありますよね
  • (回答案の提示)私は、重畳適用が想定される場面を細かく暗記する必要は無いと思うのですが、いかがでしょうか
  • (理論的理由)理論的には、代理権授与表示をし、表示範囲を上回る行為があった、という場面は単に「そのような代理権授与表示をした」として109条単独適用の問題とすれば良いように思います
  • (実益)し、そのような理論構成で109条を適用すれば、重畳適用と結論も変わらないからです

 というような感じですかね。重要な問題から先出ししていくと、相手は「うん、それで良いと思うよ」等と後続の理由付けをカットすることができます。相手にとっても自分にとっても、長々話さなくてよいのでWinWinです。なお、この理屈は答案作成(論証パターン作成)でも同じ、と筆者は考えています。筆者が、「理由付け→規範ではなく」、「規範→理由付け」という規範先出しの方が良い、と考えていることについては、下記記事を参照して下さい。

他人の質問を聞く

 意外と重要なのがこれです。書き漏らしたので追記しました。成績の良い人、司法試験にサクッと合格できる人は、よほどの天才で無い限り、質問量もあり、質問方法も上手なはずです。少なくとも、筆者の法科大学院ではそうでした。従って、成績の良い人の質問に(了承を得るかまたは偶然を装って)同席し、何を(What)、どのように(How)質問するかを聞く、ということはかなり勉強になります。なるほど~こうやって立論するのか、きっと答案もこうやって書いているんだろうな、等です。

 そういった意味では、本ブログのようなネットでの質問も同じです。たまにコメント欄を見て、なるほど良いこと聞くな~(What)とか、なんて分かり易い質問なんだ!(How)と、他人の質問から勉強することはおススメできると思います。

まとめ・最強の質問は「添削依頼」

 以上の通りで、まずはたくさん質問をすること、そして上手に質問することが大切です。上手に質問するためには、「細かく、具体的で、分かり易く」「回答案を提示しつつ」質問することです。そういう意味では、最強の質問とは、実は(部分的でも良いので)答案添削を依頼することです。答案は細かく、具体的(…なはず)ですし、よく練られた(…はず)回答案そのものです。また、作成者自身の知識、思考方法が如実に現れます。筆者も、よく教員に、こんな感じで質問していました。

  • 「先生、〇〇という問題がありますよね。具体的にカクカクシカジカという事件があったとします」
  • 「これに対する私の答案の構成・筋道(というか要するに論パ+あてはめ)を、今から30秒くらいで話すので、どこかおかしいところがあったら言ってください」

 ここでもポイントは、教員に(無駄な)時間を使わせないために、あくまで簡易な答案構成の添削を依頼している、ということです。筆者は未だにこの質問方法がベストなのではないかと考えています。

 その他、質問方法については、さらに細かいテク的なものがある(ベストなTPOで質問する、とか関連質問を上手に使う、とか…)とは思うのですが、とりいそぎ、超重要と思われる4点に絞って提案してみました。これからも、たくさんの質問をお待ちしています!