だいたい正しそうな司法試験の勉強法

30代社会人。「純粋未修」で法科大学院に入学し、司法試験に一発合格。勉強法・書評のブログです。

司法試験直前期&ファイナルペーパー

 司法試験直前期に何をすべきか?を色々と考察してみました。

司法試験直前期の勉強

普段どおりの勉強で良い

 まず、大原則として、直前期だからといって普段の学修とことさら異なることをする必要はないと思います。良く「直前に、総まとめ!」とか言いますが、「そもそも、まとめるほどの情報量を誤解なくきちんと理解してるんでしょうか?」と思ってしまいます。インプットが足りない人は、普段からインプット重視の勉強をすべきで、直前でもそうです。ここでも、やはり最良の学習方法は、最適の学習方法だといえます。

具体的な目標を立てる

 加えて、具体的な順位を設定して、そのために必要な勉強をすることをオススメします。

 私もそうでしたが、どうしても、「合格すること」が目標となってしまうのが通常です。そうすると、不合格の恐怖から逃れるため、どうしても「落ちないための勉強」に傾いてしまいます。しかし、よくよく考えてみると、合格以上に重要なのが、目標設定-達成-フィードバックというサイクルをきちんと循環させるということです。だとすれば、具体的な順位という目標を決める。そして、その順位で合格するためには何が必要かをきちんと逆算して勉強法を組み立てておくべきです。

 筆者も、なんとなく20位前後で受かりたいな~とは考えていましたが、主観的には「落ちる…」と考えていたため、防御的な勉強法に走ってしまい、結果的には、目標を達成できませんでした。残念。

 17位の上位合格者が、実際どういう目標を立てていらっしゃったかについては、こちらの記事を参照→司法試験本試験で総合1位を狙います | テクニカルに司法試験を突破するブログ 。や~、目標というのは、こうあるべきですよね。しかも公言。Aikawaさんのように、具体的な戦略・戦術を描いておくべきですね。

ファイナルペーパー

 こんな試験用語があるんですね。辰巳の西口先生のブログによると、「10分前にどうしても見直したいことを書き留めたメモ書きです。」とのことです。そんな概念が世の中に存在することを全く知りませんでしたが、筆者も偶然、同一の趣旨のモノを作成していました。

 筆者の場合は、論証集兼まとめノートがA5だったので(基本書等との同一サイズ感重視)、ファイナルペーパーもA5一枚、1分で読み返せる分量のものでした。よって、暗記すべき重要判例なんて書くスペースはありません。

 内容ですが、今までに司法試験の過去問を解きまくった(とはいっても、各年度2,3回ずつ位)中で、出題趣旨・採点実感とズレて「完全にやってもーたな」と思った失敗例(の対策)を10個ほど記載していました。要するに、ミスの歴史ですね。自分はこういうところを間違えがちなんだな、と思い出させるわけです。

 ファイナルペーパーを作ったからどう、あったからどう、という話はあまりなく、正直どっちでも良いように思います。ファイナルペーパーに重要判例が書いてあって、仮にそれが出題されたとしても、そりゃ単なる運ですしね。ただ、手前味噌ですが、ミスの歴史ファイナルペーパーは、2つの意味でなかなか価値があったかと思います。

 1つは、ファイナルペーパーの原典が出題趣旨・採点実感なので、「あ~司法試験○○法って、こんな試験だったな」と試験感を思い出すのに役立ちます。
 もう1つは、あ~今まで(3年間という短い期間ですが)色々勉強して、色々間違えたなあ… とぼーっと思い出すことは、後述の緊張を和らげることに役立ちます。

 ご参考までに、ファイナルペーパーの画像を何点か。今読み返すと、よっぽど自信があるのか、刑訴法のファイナルペーパーは余裕満点で面白いですね。上位合格狙っている感じです。

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司法試験直前期の生活

精神面

 やっぱりですね、リラックスすることが重要です。緊張は、百害あって一理なしです。説明するまでもありません。どーやったら緊張しないの?という話につき、こればっかりは人それぞれだと思いますが、自分のコツをご紹介。

①プライドを捨てる

 法学部の試験監督のアルバイトなんかをすると、緊張している人をいっぱい見ることができます。こうした人は概ね「まじめ・完璧主義・(良い意味で)プライドもある」方が多いように思います。全て、長所なのですが、緊張との関係ではマイナスに働くこともあると思います。「私はこんなに頑張ってきた、こういう評価もされてきた、だからこの試験で結果を出さなければならない!」というやつですね。

 気持ちはわかるのですが、「ふまじめ・適当主義・プライドなし」の方が、緊張しない点では楽です。筆者は、大学学部&新入社員時代に尋常じゃなく優秀な人に出会いまくっていたので、幸いにも(邪魔な)プライドは消滅していました。自分なんて大して頭も良くないし、たかだか3年間勉強しただけだし、学費も奨学金も免除だったし、受かったらラッキーだなーと、いうくらいの気楽な感じで勉強していたので、本番も変に気負うところはありませんでした。

②完璧主義を捨てる

 これが最も重要な心構えじゃないでしょうか。自分の実力の全てを発揮したい!と無意識にも思ってしまうから、緊張するわけです。上記の3要素の中では、完璧主義の影響かと思います。ミスは許されねぇ!的な。そもそも、ポテンシャルの全部を発揮できないと上手くワークしない製品・サービスなんて、危なくてとてもじゃないが社会で通用させられません。自動車だって、銀行だって、みんな安全マージンが設定してあります。

 司法試験も同じで、そもそも60%くらいの実力が出せれば合格できるようにしておく、という客観的な状態を作っておくことがまず重要です。それが無理でも、主観的には、「実力の60%も出せれば儲けもん」くらいの気持ちで試験に臨むべきです。事前予測60%→結果的に60%の出来、であれば予測的中率100%ですよ!ダメだった時の衝撃も少ないです。

③まじめさを捨てる

 「こんなに苦労をした」と思ってしまうと、なんとかその苦労分は回収せん、と意気込んでしまうと思います。これも緊張の一因になるかと。これは、上記の要素でいうと、「まじめさ」が影響しているんじゃないでしょうかね。やっぱり、まじめな人は義務-have toをなんとか全部こなそうとするので、「苦労をした」という読後感になってしまいがちなんじゃないでしょうか(自分がそうでないため、推測にすぎませんが)。

 こうならないためには、have to を want to に変えておくことです。「え?勉強?やりたいからやってるだけなんだけど。趣味だね。不合格でもそこまで気にしないけど。そもそも楽しいからね。」という状態にしたいところです。

肉体面

 これは客観的な正解が定まっているように思います。ずばり、朝型にしておきましょう。筆者の場合は、だいたい朝7時起床→夜2時就寝(5時間睡眠)という生活パターンだったのを、朝6時起床→夜0時就寝(6時間睡眠)、朝5時起床(すぐに演習問題を解く)→夜22時就寝(7時間睡眠)と徐々に変更することで、睡眠負債をなるべく減らし&朝9時には脳が超・戦闘態勢に入るようにしてました。

 これはかなり効果があったと思います。睡眠大好きなので、もっと寝たかったけど。