だいたい正しそうな司法試験の勉強法

30代社会人、妻子あり。「純粋未修」で法科大学院に入学し、平成30年司法試験に一発合格。勉強法・書評のブログです。

基本書などの選び方<初歩編>

いつ、どんな本を買うか

 法科大学院に入学して3ヶ月くらいは、法律書ほどつまらない本はこの世に無い!と感じていましたが、成績の好転とともに考えを180度変え、基本書・判例集・演習書その他を計100冊は(最低でも)買いました。奥さんに聞いたら、「もっと買ってる!」と怒られるでしょうが。(写真はトップ画像にも使っている、法科大学院の私の本棚です。これに加え、本棚に入り切らない30冊くらいがありました。)

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 さすがにこんなに本を買う必要は全くありません。では、いつ、どんな教材を買い揃えていくべきかについてですが、

で述べたように、基本的には、なんとな~く書きやすそうだな、と感じる本を選んでいけば良いと思います。

 が。勉強が板についてくるまでは、「書きやすいかどうかもわからない」はず… というより、自分がそうだった… ということに気づきました。というわけで、もっとシンプルな「基本書等の選び方のコツ」として、自分が気にしていたポイント10点をご紹介します。

1. なるべく早めに本を買う

 まず、いつ教材を買うか、です。法科大学院にしろ、予備校にしろ、「今は民法を勉強しているターム → よって、その他の教材はまだ買わない」という人が多々見受けられます。が、これは損です。今は民法を勉強していても、結局そのうち民訴法の基本書も読むことになるのです。だったら、なるべく早く買って、手許に置いておいておけば、気分転換に読んでみることもできますし、長く使える分だけお得です。また、こちらの記事で紹介したように、

民訴法の基本書が行政法の学習に役立ったり、行政法の基本書が刑訴法の学習に役立ったり… というように、他の法律の基本書が、今学習している法律の理解を助けることは、多々あります。

 もっとも、いま勉強していない法律についての教材ですから、厚くて問題意識の高い本を買う必要はありません。というより、自分に向いている教材がわからないはずです。従って、なるべく早めに、ストゥディアシリーズなど初学者向けの本を、1冊は買っておくことをオススメします。

2. 売れている本を買う

 日本の書籍は一応のところ市場経済原理が働いているので、基本的には、売れている本=良い本です。法科大学院では、未修者がかなりマニアックな分厚い本を持ち歩いているのをよく見かけますが、あれは睡眠用の枕にでも使うのでしょうか。不安になります。

 なお、売れているかどうかのリサーチですが、Amazonのベストセラーですとか、大学生協で平積みにされている本は、ハズレがありません。大学生協は学生じゃなくても本を買えます。

3. メジャーな出版社の本を買う

 同様に、メジャーな出版社(有斐閣、弘文堂、日本評論社、東京大学出版会など)の本はハズレが少ないです。編集者が優秀で、良い本を出版しているからこそ、メジャーなのです。トヨタの車が安心できるのと同じことです。

4. 旧帝・早慶の先生の本を買う

 筆者は司法試験を志すまでは、全く学歴・学閥については無頓着でした。…が、法律学の世界では、東大・京大などの旧帝大、早慶の先生方がやっぱりエースです。これが良いことかどうかはさておき、これらの大学の先生の本はハズレが少ないです。特に、東大・京大(元東大・京大も含む)の先生は、わかりやすい文章を書かれる方が多いように思います。

5. 成績優秀な友人と同じ本を買う

 法科大学院にしろ、予備校にしろ、合格するであろうことが明白な、超・優秀な学生がいます。私の法科大学院にもいました。その友人の使っている本を買うのも良いと思います。本と読者の相性は人それぞれですから、その本があなたに合っているかどうかはわかりません。ただ、その本の内容でわからないところがあったとき、成績優秀な友人による解説が期待できる、という点は非常に大きいと思います。

6. 改訂を待たない

 筆者の個人的意見としては、司法試験は短期決戦(合計勉強時間2~4年間でかたをつける)の方が受かりやすいように思います。なんていうんでしょうか、英語の学習に近いものがあって、1日1時間ずつ1年間英語を勉強するより、30日間留学した方が上達が早い、という感じでしょうか。従いまして、「あと2年で受かるぞ!うおぉぉ」と、常に焦りまくっていた方が良い気がします。

 さて、特に判例百選に顕著ですが、「この本で勉強したいけど、もうすぐ改訂するらしいしなぁ…」ということはよくあります。
 が、短期決戦型を志向している場合、改訂まで2ヶ月(一応の目安)以上あるのであれば、直ぐに買って読み始めた方が賢明だと思います。とにかく、目の前の時間を有効に活用する意識が大切です。

 ※家庭や経済的事情で、長期決戦型の人もいると思います。その場合は、当然、改訂を待ちましょう。

7. 改訂しても買い換えない

 実際に改訂されてしまったら、買い換えるべきでしょうか。迷うところです。で、迷っているなら買い換えないのが学習効率的にも、経済的にもおトクだと思います。勉強が板についてくると、買い替えた方が良いかどうかは自分で判断できるようになります。基本的には、以下の点を検討して、決めます。

・司法試験本番まで1年以上あるか

・改訂による内容の追加が20%以上あるか

・買い替えの必要性の大小
 基本書>>判例集>>>>>演習書
 知財法>会社法>>憲法>>その他

8.(旧版の)中古本を買う

 法律書は高いです。高いお金を払って、自分に合わない本を買うのは残念すぎます。私は、気になる本があったら、Amazonの「欲しい物リスト」やヤフーオークションの「ウオッチリスト」に欲しい本の旧版を登録していました。こうして、旧版を500円以下で手に入れ、良いなと思ったら新版を新品で購入していました。

 また、司法試験 論文過去問答案パーフェクトぶんせき本〈平成29年度版〉などは、明らかに司法試験対策としての用途しか無い本です。しかも、平成29年度分だけ買う人は少なく、ほとんどの購入者は複数年度分買います。そうすると、ヤフーオークションやメルカリなどで、司法試験の合否発表直後から、ぶんせき本が、複数年度まとめてバンバン出品されることになります。
 これを利用しない手はありません。私はぶんせき本など、「いつかどうせ使う本」は勉強1年目からウオッチリストで監視して、安いものが出品されたタイミングで購入していました。

9. 他人の書評を読む

 なるべく、同じ立場(司法試験受験生、合格者、不合格者)の人のレビューを参考にしましょう。なんだかこのブログの宣伝チックですが。もっとも、法科大学院にしろ、予備校にしろ、司法試験にストレートで合格する人は(一部の超優秀なコミュニティを除けば)20~30%に過ぎません。従って、周囲のレビューの80%くらいは、あまり信用できません。

 私の場合ですが、2chの司法試験板で(笑)、超・頭脳明晰と思われる方の書評を何度か拝読しました。「いや~この人なら間違いない」と思い、直接掲示板で「刑法総論が全くわからんのですが、どーしたら良いですか」等と質問し、その方のご教授通りに本を購入し、みるみる成績が上がった、という訳です。

 匿名掲示板なので、お会いできないのが残念至極ですが、心から感謝しています。ありがとうございました。

10. できれば1冊副読本を買う

 司法試験の勉強のうちインプットは、一冊の基本書と結婚又は心中する、というのが基本です。が、まず第一に、一冊だけでは飽きます。第二に、どーしても自分の脳では理解不能な文章というのは、1冊に10頁分くらいは出てきてしまいます。そんな時のために、基本書のサポート役となる副読本を買っておくと、なんだかんだ言って便利です。また、書評をアップしますが、オススメできる副読本、または副読本代わりになる演習書を列挙しておきます。

憲法論点教室 ダイアローグ行政法 (法セミ LAW CLASS シリーズ) 事例から民法を考える (法学教室ライブラリィ) 会社法の学び方 (法セミLAW CLASSシリーズ) 論点精解 民事訴訟法〔改訂増補版〕 ひとりで学ぶ刑法 刑事訴訟法の争点 (新・法律学の争点シリーズ 6) 論点解析 知的財産法